日本の伝統文化である剣道!意外と認識されていない剣道具のパーツを解説!

意外と認識されていない剣道具のパーツ

かつて護身術として生まれた剣術から派生した武術が剣道です。老若男女を問わず稽古や試合をできるのが魅力であるほか、礼儀作法が身に付くと子どもの習いごととして、力を入れている親御さんもいるでしょう。ここでは、見たことがあるものの、意外と知らない剣道具のパーツの名称や、その役割について解説します。知っておくと剣道具を購入しに行った際、非常に役に立つでしょう。ぜひここで学んでおいてください。
 

剣道のときに身体を保護する剣道具とは

面は皆さんもご存じでしょう。剣道具というのは剣道の際に、相手が竹刀で目がけてくる部位から体を保護するものです。打突(だとつ)といって、相手が仕掛ける決め技から身を守る道具です、全日本剣道連盟で決められた、正式な名称です。
 
剣道具は4種類のパーツからなっています。それぞれのパーツと役割は以下のとおりです。
 

面(めん)

面はご存じのように頭からすっぽりとかぶり頭・のど、顔を保護する道具となります。竹刀で顔面を傷つけないように、頑丈な格子状の金属で作られています。頭のてっぺんから肩の部分までは、1枚の強度をつけた専用の生地で覆われています。
 

小手(こて)

小手というのは手から腕の部分を保護する、剣道具です。相手の竹刀から身を守り、自分の竹刀を上手く捌けるように作られています。
 
手の平側の竹刀を握る部分は、鹿革や人工皮革製の素材が使われております。竹刀をしっかり握れるように作られてもいるのです。甲側は相手の竹刀から手を守るように、綿や圧縮綿などを防具の基本となる布地に挟んで、縫い込まれています。
 

胴(どう)

胴はその名のとおり胴体、たとえば胸部分から腹部分そして脇の下の部分を保護するものです。胴は胸部を保護する「胴胸」という部分と、腹や脇下を保護する「胴台」という部分でできています。
 
胴胸部分は硬い綿や圧縮綿などを挟んで、牛革で覆って作られております。胴台は樹脂や竹またはグラスファイバーなどでできています。
 

垂(たれ)

垂とは腰の部分や局部を保護する、剣防道具です。腰に巻く部分の「腹帯」と、3枚の「大垂」そして2枚の「小垂」から作られています。
 
藍色の布に白い糸にて刺繍した刺し子でできているのが、一般的です。大会では体の中央にくる大垂には、名前・所属の記載された垂ゼッケンをつけます。
 

店に来店する前に知っておきたい用語

剣道具店に行き剣道防具を注文するときは、専門用語を使って説明される場合があります。そのような場合のために、ここでは剣道具の主な用語をいくつか解説しておきましょう。購入の際の参考にしてください。
 

剣道具の生地となる布団

剣道具のなかで剣道防具の基本となる、布地を「布団」といいます。このあと解説する芯材・紺反・紺革を挟んで、打突の衝撃を緩和する役目があるのです。以前は分厚いものでしたが、現代は薄手のものが好まれる傾向にあります。
 

強度をアップする芯材

「芯材」とは布団の強度をアップするために、布団のなかに挟み込むものです。真綿や人工皮革製のものや、不織布などが利用されています。
 
頭から肩までを保護する面や小手の手の甲、胴の胴胸などに使います。これらの部分の布団に挟んで縫い込むのです。
 

藍染め木綿の紺反

「紺反」とは藍染めの木綿のことです。袴や防具の布団に挟み縫い込んで使います。これは剣具の強度をアップするものです。ちなみに紺反を縫い込んだ生地で作った防具のことを、織刺防具といいます。
 
生地には、シャープ印に数字が表示されています。その数が大きいほどきめが細かく、重圧な生地と評価されているのです。
 

鹿や牛の革を藍染めした紺皮

この「紺皮」も芯材と同じように布団に挟んで縫い込み、剣具に強さを出します。素材は乾燥した鹿や牛の革に樹液やさまざまな薬品を塗ってなめした革で、それを藍染にしたものです。とくに鹿の皮は、紺皮に最適だといわれています。剣防具の耐久性と装飾性をアップしてくれるのです。
 

剣防具の制作方法は2種類

剣道防具を制作するには、基本の布地である布団を縫って制作します。制作の仕方は手刺しと機械刺しの2種類の方法です。
 
手刺しは読んで字のごとく、分厚い布団を1針ずつ手で刺して縫っていく方法です。機械刺しは電動ミシンを使って縫っていきます。機械刺しは一度縫ったらほどけず形が決まってしまうので、ミシンの性能によって品質が違うのです。
 

人の手による手刺し

布団を「手刺し」して制作する方法は、人の手で1針1針縫って仕上げます。手刺しは風合いが出て、縫い込むときに力の強弱がつけられます。耐久性をアップさせたものに仕上げられる点が、メリットといえるでしょう。また布団に挟み込める芯材の量も調節できるため、使用者の好みどおりに弾力性をつけられます。
 
デメリットは製作するのに時間がかかることと、機械刺しに比べて値段も高い点です。刺し幅が細かくなるほど、制作するのに時間がかかり値段もアップします。
 

ミシンを使う機械刺し

「機械刺し」はミシンを使って布団を縫います。機械刺しのメリットは、手刺しよりも価格の安いことがあげられるでしょう。またミシンで縫うため、まっすぐ均一にきれいに縫い上げられる点です。
 
デメリットは布団に挟み込める芯材が、ある程度の量までしか差し込めないこととなります。これにより弾力性が少々劣る点です。機械刺しの場合も、刺し目が細くなるほど値段は高くなります。
 

まとめ

面や竹刀はみたことあり名前も知っている方でも、剣道具のパーツ名は意外と知らないものかもしれません。これらを知ると同時に構造を理解しておくと、お店に足を運んだときに人任せではない道具選びに役立つでしょう。よい買い物をするには、購入する剣道具を理解しておくことも大切です。またそれ以上に信用のおけるお店選びも大切です。
 
長野県諏訪市に店舗を構える剣道具専門店「式部たちばな」では、国産の剣道防具や剣道防具袋など剣道具商品の販売をしています。店舗でのショッピングのほか、オンラインでも購入が可能です。長野県で剣道具をお探しの方は、ぜひともお気軽にご相談ください。