剣道における必需品のひとつ!「垂れネーム」について解説

垂れネーム

これから剣道をはじめようと思っている方や、はじめたばかりの人は、さまざまな準備するものがあって戸惑うこともあるかもしれません。剣道の試合では、他の武道と違って竹刀や防具など数多くのものを身につけます。どれも欠かせないものばかりです。そのなかに「垂れネーム(名札)」というものがあります。
 
そこで今回は垂れネームの作り方や選び方、お手入れの仕方について詳しく解説していきましょう。ぜひ参考にしてみてください。
 

垂れネームとは

垂れネームは、剣道において選手の名前を示すゼッケンの役割をはたすものです。袋状になっており、剣道具(剣道で装着する防具)のひとつである「垂(たれ)」(腰や、局部を守るための防具)の中央に装着します。
 
正式な名称は「名札」ですが、販売店では垂れネーム・垂れゼッケンなどと呼ばれていることが多くなっています。他の競技においてゼッケンは、胸や背中につけるのが一般的でしょう。しかし剣道は腰元です。その理由は、使用する道具に関係しています。
 
剣道の稽古や試合では、安全のために面・胴・垂・小手(こて)などの防具をかならず装着します。もしゼッケンをむねや背中に付けてしまうと、防具で隠れてしまうことになるでしょう。そのため最も確認しやすい垂の中央部分に、垂れネームを装着するのです。
 
また選手はみんな似たような色の袴や防具を付けます。そしてかならず面を装着するので顔がみえず、戦っているのが誰なのか見分けるのは困難です。そのため垂れネームは、剣道の試合で選手を見分けるために欠かせないものといえるでしょう。
 

垂れネームの作り方

選手の名前や所属を示すための垂れネームですが、その作り方には決まりがあります。全日本剣道連盟では、垂れネームの上部に所属団体名を横書きで示し、その下に縦書きで選手の姓を示すよう指定しています。そして垂れネームの生地は黒または紺色で、文字は白にすることも指定されているのです。ただし白い剣道具を使用している場合は、白い生地に黒か紺の文字を使用する場合もあります。
 

垂れネームの文字について

文字については、とくに公式団体からの指定はありません。文字の入れ方には、主に人工皮革などで作った文字を貼り付ける(または縫い付ける)方法と、刺繍で文字を書く方法があります。普段の稽古に使うものは人工皮革にして、試合用は見栄えがよくなる刺繍の垂れネームを使用するのもおすすめです。自分のこだわりに合わせ、お好みで選んでみましょう。
 
また文字の書体には、さまざまなものがあります。楷書・行書・隷書など一般的なものの他、プロの書道家が書いたものなどもあります。書体については、所属する団体によっては指定されていることもあるのです。作成前に、かならず確認しておきましょう。
 

垂れネームの選び方

垂れネームを作るとき、注意しなければならないのがサイズです。大きすぎるとずれ落ちてしまい、小さいと垂が丸まってしまいます。きちんと装着できるものを選ばなければいけません。扱っているサイズは販売店によって違うものの、当店では以下の4種類を用意しています。
 
・幼年用(24×15cm)
・少年用(25×16cm)
・中サイズ(26×17cm)
・大サイズ(27×18cm)
 
サイズ選びの目安は、身長165センチメートル以上なら大サイズです。女性または中学生は少年用、または中サイズといったところです。なお最もわかりやすい目安となるのは、垂の中央下部分における長さとなります。事前に長さを測っておいて、それよりひと回り大きなサイズを選ぶのが無難でしょう。
 

垂れネームのお手入れ

剣道具は藍染の生地を使用することが多いでしょう。しかし触っているだけでも、色が手にうつってしまうほど色落ちがしやすいものです。垂れネームも生地が藍染のものが多いため、白文字の部分に色がついて汚れてしまうことはよくあります。
 
しかしこの汚れは、ニスやベンジンを薄めた液で落とせます。また縫製工場などで使用されている「マーク消し」という商品があれば、さらにスムーズに落とせます。マーク消しによる色汚れの落とし方は以下のとおりです。
 
まず市販のマーク消しを用意します。次に指にきれいな布を巻き、布にマーク消しの液を染み込ませます。そうして指で白文字の部分を擦ると、藍染の成分を取り除けるでしょう。しかし何度も繰り返し色が付着していると、マーク消しでもなかなか落とせなくなってしまいます。そういった場合は思い切って、新しいものに買い換えることをおすすめします。
 

まとめ

剣道においてかならず使用する道具のひとつが、垂れネームです。今回は垂れネームの作り方や選び方、そしてお手入れの仕方について解説しました。
 
垂れネームには、自分の名前や所属を示すという大切な役割があります。公式のルールや所属団体の決まりの範囲内であっても、こだわりのある垂れネームが作成できればよいでしょう。稽古や試合のモチベーションも上がるかもしれません。また生地に使う染料の関係で、どうしても色汚れをしてしまいやすいものです。日ごろからお手入れをしっかり行い、長く愛用していきましょう。
 
我々「式部たちばな」でも、垂れネームの制作をうけたまわっております。通常の人工皮革や刺繍の他、3D刺繍などの特殊な刺繍の注文も可能です。また文字の書体も、さまざまなバリエーションからお選びいただけます。垂れネームの作成をご検討の際は、ぜひとも「式部たちばな」までお気軽にご連絡ください。